夜行バスを利用する際のガイドライン

(2012年当時に別サイトへアップした内容の転載。2018年現在、ちょっと事情は違うかも)

はじめに

大学生にもなると、どっか遠くに行くこともあるでしょう。旅行なり、学会発表なり。
遠くへ行くとき、移動手段として夜行バスが選択肢に挙がるかも知れません。
私は、実家が広島なので帰省の際に夜行バスをよく使います。
もう何度となく乗りました。「夜行バス・アマチュア」のレベルは脱していると思う。

自分用のメモを兼ねて、夜行バスを使うときの指針を提案したいと思います。
夜行バスを使おうと考えるとき、参考にしてもらえればうれしいです。


※ しかし、周りの人たちの話を聞くと、ここに書いてることはそれほど一般的ではないことがわかってきました。バスの会社や、特に路線によって状況は大きく異なるみたいです。私はまだアマチュアでした。

夜行バス2大原則

あなたは、夜行バスに対してどのような印象を持っているでしょうか?
やはり、「夜行バスは安いがキツい」という印象が一般的な気がします。

でも、どうだろう。
その「安いがキツい」というところに、何か魅力を感じませんか?
飛行機や新幹線なんかとは違う、洗練されてない感じ。ワイルドでタフな感じ。ちょっとした冒険の匂い。泥臭さ。

新幹線で九州まで行ってきました、と言う人よりは、
夜行バスで九州まで行ってきました、と言う人の方が、こなれてる感じがする。
ツアーで海外に行ってきました、と言う人よりは、
バックパックを背負って海外に行ってきました、と言う人の方が、かっこいいと感じるのと同じで。

私もそんなイメージを持っていました。
夜行バスにロマンを感じていました。(「海辺のカフカ」が好きだからかも知れない)

10回以上乗った今の私が言います。
そのイメージは幻想だった。夜行バスにロマンはない。夜行バスは、安くてキツい移動手段に過ぎない。(さくらさんとも出会えない)

 

夜行バスに関して、私は次の2つの原則を提案したいと考えています。

  • 原則1 『移動した先で何かイベントがある場合、行きは夜行バスを使ってはならない(帰りは可)』
  • 原則2 『夜行バスを使うときは3列シートの夜行バスを使う』

原則1: 『移動した先で何かイベントがある場合、行きは夜行バスを使ってはならない(帰りは可)』

夜行バスは疲れます。
座ったまま寝ないといけないというのは、なんかやっぱ不自然です。

帰省のために夜行バスを使うなら少しくらい疲れてもいいのです。
家に着いてから改めて横になって寝ればいいから。

しかし、移動した先で何かイベントがある場合は、夜行バスは避けた方がいいです。
『安さ(とロマン)に惹かれて夜行バスを選んだが、移動で疲れて、楽しめるものも楽しめなかった・やるべきことが上手く行かなかった』
というのは金をケチって損する典型例です。もっと慎重に、楽な交通手段を使うべきです。

移動した先で何かイベントがある場合、行きは夜行バスを使ってはならない。

(なので、やる事をぜんぶ済ましたら、帰りは夜行バスを使ってもいいだろう。)

 

原則2: 『夜行バスを使うときは3列シートの夜行バスを使う』

夜行バスには、3列シートのタイプのバスと4列シートのタイプのバスとがあります。
3列シートだと両隣の人との間にスペースがある。椅子、通路、椅子、通路、椅子という並び。
4列シートだと隣に人がいる。椅子椅子、通路、椅子椅子という並び。

4列シートのバスは、修学旅行なんかで使う団体バスを思い浮かべるといいです。まさにそんなバスです。
・・・まさにそんなバスなのです。


恐ろしく狭い。すぐ横に人がいる。ぜんぜんくつろげない。
座ったまま寝ないといけないという身体的な負担に加えて、
隣の人に気を払わないとならないという心理的な負担が加わります。

(でも、4列シートのバスに乗ったとき、一度だけ、隣に座った人と少し話したことがあって、
 その人は「昔から夜行バス使ってるけど、最近はだいぶ改善されてきたよ。昔はひどかったものだ」とおっしゃっておりました。どんだけひどかったんだ。)

それに対して3列シートタイプは、まあ狭いのは狭いですが、
「隣の人のことを考えなくていい」という分、ずいぶん楽です。

また、3列シートタイプのバスはまず車内にトイレがあります。
4列シートタイプはあったりなかったりです。

またさらに、3列シートタイプのバスは、遮光なんかの車内環境も整ってます。
4列シートタイプのバスは、カーテンがすげえ薄かったりすることがあります。高速のトンネルまぶしすぎ。

要するに、3列シートタイプは、4列シートタイプよりも全体的にグレードが高い。
っていうか、4列シートタイプのグレードが低すぎる。耐えられない。
値段で考えると4列シートタイプのバスの方が安いのですが、いや、その差額で「楽さ」を買えると思えば安いもんです。

夜行バスを使うときは3列シートの夜行バスを使う。

 

ところで、夜行バスの運賃っていくらぐらいよ?

※最近は乗ってないので運賃は2012年当時のものです

きついきついと言いつつも、やはりその安さは尋常ではないです。

具体的にどれくらい安いのか、例として東京駅-広島駅間で交通手段ごとにかかる金額を挙げてみます。
(ぜんぶ片道です。また、特に断らない限り、忙しい時期じゃないときの平日の金額です。お盆とか正月とかはどこももうちょっと高いです。あと休日も少し高かったりする)


夜行バス
 4列シート 約5,000円(オリオンバス
 3列シート 約8,000円(JRバス中国 ニューブリーズ号)

新幹線
 約17,500円(のぞみ 普通車自由席)

飛行機
 約33,000円(ANA 普通運賃)

寝台列車は東京-広島間は今はもうないっぽい)


やはり夜行バスやばい。

とんでもねえよ。
帰省で往復したら、新幹線を使う場合より2万くらい安い。

 

で、乗車時間はどれくらいなのよ?

同じく、東京駅-広島駅の片道を例として挙げます。

夜行バス 11時間 (帰省ラッシュの頃だとそれなりに増加。私の経験した最長乗車時間は15時間。20:00東京発、翌11:00広島着)
新幹線  3時間
飛行機  1時間半


やはり夜行バスやばい。

とんでもねえよ。
帰省で往復したら、新幹線を使う場合より16時間くらい遅い。


しかし、これを「夜行バスに乗るだけの簡単なお仕事」だと思えば、
3列シートタイプで 20,000円 ÷ 8時間 = 時給1,250円
4列シートタイプで 25,000円 ÷ 8時間 = 時給1,500円ちょい

いいと思うか安いと思うかは人次第ということですが、…私は…やはり……いいと思ってしまうのである…。
この時給を知っては、帰省に夜行バスを使うことが、短期のバイトに思われてならないのだ……。

 

それでも夜行バスに乗るならば

やはり、金には抗えません。

いつか自由に新幹線を使える身分になれることを夢見て、
今は夜行バスに乗るときに気を付けるべきことを挙げて、じっと耐えましょう。

0. 乗れるかどうか確かめる

行きたいところに夜行バスが出ているかどうかは、次のウェブサイトあたりで検索してください。

3列タイプも4列タイプも含めて → 夜行バス比較なび
3列タイプのみで        → 高速バスネット

(これら以外にも検索をかけられるとこはたくさんあります。私がとりあえずこの2つを使ってるので。)


1. 乗るまでにすること

まず第一に、席の予約する必要があります。
(昔はそうじゃなかったらしいが)昨今の夜行バスは予約しておかないと乗れない。
予約はネットからできます。上のウェブサイトも、検索してからそのまま予約ができるようになってます。だいたい1ヶ月前から予約ができます。
支払い方法は、カードとか振込とかコンビニのチケットマシーンとか色々と用意されています。
(少なくとも東京-広島間は)忙しい時期には思ってる以上に早く席が埋まってしまうこともあるので、早めに予約しておくのがいい。

 

2. 乗る際にすること

  • 集合場所,集合時間は必ず確認しておく。 当たり前だけども。 しかし、私は、集合場所を間違えて1万円を失ったことがある。 
  • 持ってこいと指示されたものは持っていく。当たり前だけども。 「このメールを印刷して持って来い」とか指示されます。それは確実に持っていきましょう。必要ない場合の方が多くて油断してたら、危うく乗せてもらえなさそうになったことが私はあります。
  • 荷物は多くしない。 大抵、荷台に入れてくれる荷物は一つまでです。残りは車内に持って入らないとならない。出発すると到着するまで荷台に入れた荷物は出せないので、車内に持って入るものは事前にまとめて別にしておく。 
  • 飲み物を多めに準備する。夏でも冬でも。車内で喉が渇くと辛い。バス乗る前に1Lペットボトルのお茶でも買っておくと安心。2Lは置く場所なくて邪魔。
  • 音楽プレーヤーか耳栓は持っておく。いびきをかかれる方も結構いるので。わきまえてほしい。
  • 最初の休憩で人が出払ったときに最大限の楽な環境を作ってしまう ベルトを外す・靴と靴下脱ぐ・フットレストとか準備する・飲み物をすぐ手の届くところに置くなど。 ジーパンとかきつい服は着ていかない方がいい。ほんと辛い。私は寝巻きに着替える。到着したらトイレで着替える。
  • 眼鏡かけてる人はケース持っていくと楽。眼鏡置く場所がないので。 
  • (3列シートのバスなら遮光がきちんとなされているので気にしなくていいが) アイマスク持っておくと安心 4列シートだと、たまに、バス前方にカーテンがないバスがある。眩しい。 また、4列シートだと、たまに、車内のカーテンが遮光タイプじゃないバスがある。トンネルに入ると眩しい。

3. 乗ってからすること

乗ってしまえば、まあ後は目的地に着くまで運ばれていくだけです。ドナドナ。
(ちなみに、休憩は、トイレのついてないバスの場合、3時間に一回くらいある。
 トイレのついてるバスはノンストップなことも多い。(運転手さんの交替で止まることはあるが、そのとき乗客はバスを降りてはいけない))

しかし、いかんせん車内は暇です。
カーテン閉まってるから、ぼんやりと外を眺めることもできません。

消灯までは(酔わないなら)本でも読めばいい。
しかし、消灯してしまってはどうしようもない。一応、読書灯が各シートについているけど、まあ使うのはマナー的にアウトです。

携帯ゲーム機を持ち込んでいる人もいる。最近はiPadを持ってる人も多い。
しかし、消灯してしまってはどうしようもない。消灯後に光の出る機器をいじるのはよろしくないです。

じっくり考え事をするというのも悪くない。
しかし、やはり消灯してしまうと、思いついたことのメモもできないから困る。ささっと携帯か何かにメモする手はあるけど。

他には、音楽を聴くのも良い暇つぶしになります。音漏れしなければ消灯後もOKなのがいい。
最近あんまり聞いてないというものを持っていって、ゆっくり聞きなおすのがいい。
ネットで無料公開されている古典作品の朗読なんかも悪くないです。YouTubeあたりに色々ある。

酒の持ち込みは禁止されていません。(禁止なバス会社もあるかも)
缶ビールと何かスナック菓子を持ち込んで飲んでるおっちゃんはよく見ます。それをまねてビールを持ち込んだらけっこうよかった。
ここのところはアルミ缶ボトル入りの日本酒を持ち込んで飲んでる。(フタできるから匂いは問題ないんじゃないかとは思っている)

 
以上。

それでは、よい夜行バスを。