燻製ファーストチャレンジ: 6Pチーズ・鶏ササミ・茹で卵・チャーシュー・味付け砂肝
燻製チャレンジ
実家を出ている弟が、「もう使わんから」と、コンロで使える燻製器とチップを実家に持ち帰ってきた。製品としてはたぶんこれ:
燻製!! 興味はあった。
- 大学時代に友人が中華鍋を使った燻製を食べさせてくれた。おいしかった。
- 社会人になってから、有志でやる会社BBQに手製の段ボール燻製器を持ってきた人がいた。おいしかった。
いいなーと思っていたが、しかし、中華鍋なり手製燻製器なり、なんかハードルは高そうだなとも思って、自分ではやったことがなかった。こんな手軽そうな燻製器があるのね。渡りに船である。
臭いはどうなんだろう。弟は自宅のキッチンで作ってたようだし、まあもう賃貸じゃなくて実家に移ったから多少は臭いついてもいいだろうし、と試してみることにした。
具材は以下5種:
- 6Pチーズ
- 鶏ササミ
- 茹で卵
- チャーシュー
- 砂肝
1~3は燻製器の取説にも載っていた定番の品だ。鶏ササミはサッと塩ゆでした。
4は、このあいだのラーメン作りで余ったやつ。
5は、スーパーをぶらぶらしていて、これを燻製にしたら美味いんじゃないのかとティンと来たもの。
さてやってみよう。
6Pチーズ・鶏ササミ・茹で卵・チャーシューを燻す
各種具材の下ごしらえを済ませて、燻製器にチップを入れてコンロに載せる。おお、チップの時点でけっこう木の匂いがするんだ。その程度の初心者です。
この燻製器は2段に網をセットできる。下段にササミ(大)と茹で卵を、上段にササミ(小)と6Pチーズをセットした。なお、ササミに大小があるのは、ちゃんと筋を取ったの(小)と、筋を取るのが面倒くさくなったの(大)が混在しているためである。結果として、特に取らなくてよかった。
蓋を被せていざ点火する。こんな土鍋みたいなのを液体なしに直火に掛けていいのかと気になるが、「その辺は万全だ」と取説に書いてあったから信頼する。
点火から2,3分ほどすると、蓋の隙間からわずかに白い煙が漏れ出してきた。燻製って、もっともっくもくに煙が出るものだと思っていたのだが、こんなものなのか。燻製器から離れていると匂いもない。鼻を近づけると、たき火の匂いがする。木の焼ける匂いである。俺は何を当たり前のことを言っているんだ?
6Pチーズは点火から4,5分で取り出せと取説にあったので従う。こんなわずかな時間で燻されるものなのー? 煙もさして出てないじゃないのー?
蓋を開けると薄いきつね色に色づいた6Pチーズが並んでいた。うっひょ。すげえ。
……うああ!! 蓋を開けると煙いわ! マジで煙い! たき火の煙がこっちに来たときと同じ感じで煙い! 目に染みる! 鼻が痛い!
負けずにササミをひっくり返して、チーズを取り出して空いたところにチャーシューを並べ、再度ふたをする。
それからさらに5分ほど弱火で熱し続ける。「消火後、そのまま放置するといい色になるよ」と取説にあるので従う。
そうして出来上がったのがこの一皿である:
思った以上に簡単じゃないか。ササミに火が入るのか心配だったけど、きっちり入っている。そうですよね、燻製って、煙自体の熱さで火を入れるものだと思い込んでいたけど、直火にかければ燻製器の中はそれなりの温度になりますよね。
ところで、臭いはどうか。キッチンで燻しを見守っているあいだは、臭いしないじゃん、と思っていた。キッチンから続くリビングに移っても特に臭いはしない。換気扇は優秀だな。しかし、いったんリビングを出て犬の世話とかして、再度リビングに入ったら、やっぱ煙臭かったことを付記します。やっぱまあそうですよね。
砂肝を燻す
砂肝の燻製は美味しそうだと思うけど、燻製初体験者にはどう燻すのが正解か分からない。素直に先人の知恵をお借りする。いくつかヒットしたサイトを見て、こちらのレシピを借りることにした:
レシピどおりに砂肝に下味をつけてから、30分ほど燻した。
上記リンク先では、もっと赤みが残っていて、ソフトなテクスチャをしている。今回はちょっと燻し過ぎた……というより熱し過ぎたかもしれない。
薄くスライスして食卓に供する。
実食する
それぞれの燻製を本日の晩飯の一部として提供した。実家暮らしニートのせめてもの親孝行である。リビングを臭くしてすみません。
感想:
- チャーシュー以外はどれも元の素材より美味い!!
- チャーシューは、味はともかく、食べるまでに脂が冷えてしまい別の意味でダメだった。脂質に富むものは燻製に向かないのか。
- 素材が比較的に淡泊なもの(卵・ササミ)にスモーク臭が加わる感じと、
- 素材が比較的に濃厚なもの(チーズ・味付け砂肝)にスモーク臭が加わる感じとは、評価の方向が異なる。
- 前者について、"薫香"は、素直に味の1種となる。スモーキーさが単純に加わることで味が増す。
- 後者について、"薫香"は、調味料の1種となり、(きちんと調和すれば)スモーキーさは相乗効果をもたらし味が格段に増す。
- チーズと味付け砂肝はスモーキーさがばっちり合っていた。
- チーズはべらぼうに旨みが高まった。今回の中ではいちばん美味しいと思った。
- 味付け砂肝も美味い。味付けと肉の風味のせいか、ウインナ―の風味に近い。それが砂肝単体によく合う。燻された醤油の匂いもいい。
- どの品も、ミルで挽いたブラックペッパーを掛けると1.4倍くらい美味しくなった。やっぱ、スモーク臭とスパイスというのは合うのか。
最後に大きな反省点として、燻製は他の料理とおおむね調和しないという教訓を得た。晩飯の一部として出したのは大きな間違いだった。ほかの料理を邪魔するし、ほかの料理に邪魔される。スモーク臭というのは味として割と変な方向を向いている。おかずにはならない。つまみとしてたしなむものだ。……うん、まあ、わかってたことじゃないか? と言われたら、わかっていたことのような気はする。
とはいえそれは私のミスであり、全体的な満足度は高い。チップもまだあるしまたやろう。