【珍しいものを食う】キクイモの丸焼きときんぴら

おなじみの地産作物コーナーで今回は "キクイモ" を見かけた。名前は聞いたことがあるが食べたことはない。買った。

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キクイモさん

フジグラン緑井の食品売り場で約200円だった。

キクイモには因縁があるんだ。調理したあと語らせてくれ。

 

勇んで買ったものの食べ方が分からない。レシピをググってみる。へえー、生でも食べられるんだ。芋と言いつつデンプンをあまり含まないから生でも行けるらしい。ヤマイモみたいなものか。でも生はちょっと抵抗ある。丸のままトースターで焼いて食うのと、きんぴらをやってみよう。

キクイモの丸焼き

まずはキクイモの味そのものを見るために、アルミホイルでくるんで30分ほどトースターで焼いてみた。

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断面。実物は写真より白かった。

香ばしい匂いはあるが、ジャガイモのような甘味のある匂いではない。デンプンが少ないということで甘さのある糖があまり生成されないのだろう。実際、味も甘味は薄い。芋は芋だがジャガイモやサツマイモを想像して食べると肩透かしを食う。食感も、ほくほくというよりは、しゃくしゃくしている。ヤマイモを同じように焼いて、ねっとりした食感を差し引いたら同じような食味になるかも知れない。けしてマズくはない。塩コショウを振って食べたら美味しかった。

キクイモのきんぴら

よろしい、味の方向性は分かった。次はちょっと調理しよう。ググったらきんぴらのレシピが出てきたのでこれを作ろう:

ごま油香る! 菊芋のきんぴらのレシピ動画・作り方 | DELISH KITCHEN

できた:

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キクイモのきんぴら。実家にある謎の造花を添えて

うんうん、めっちゃ美味しい! ってことはないけどほっとする味である。キクイモは、丸焼きよりもずっとしゃくしゃくしている。こうしてみると、"芋"っていうより"根菜"に近いのだと分かる。でもきんぴらなら普通にゴボウの方が好きだな…

キクイモと私の(一方的な)因縁

ところでキクイモ、通っていた大学の道の脇に生えていたのだ。

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今も生えているかは分からないけど場所はここ。筑波大生なら分かるか。いや通らない人は全く通らない道だから分からないか。

元気できれいな花でしょう。通学路として使っていた道の脇に咲いて、夏を知らせる花だった。

ところで、研究室に在籍していたころ、にわかに、「植物100種覚えようキャンペーン」が発令された。草でも木でもいいから100種調べて覚えよ、できれば標本も作製せよ。こういう無茶ぶりが頻繁に起こる研究室だった。(でもこのおかげで雑草をあるていど同定できるようになった)

そのキャンペーンの一環で撮っていたのが上の写真である。当時、図鑑で調べてこれがキクイモであると知った。図鑑に依れば、ほう、根っこが芋状になっていて食えるだと。構内になるヤマモモやヤマボウシの実を食べたり、通学路のあぜ道に生えるノビルやニラを食べたりしていた身として、興味をそそられた。掘っちゃおうか、芋出てくるなら儲けもんやんけ。

しかし私は躊躇った。なぜか。キクイモモドキ という植物もこの世に存在するからだ。冗談のようだが、キクイモモドキは、花や葉がキクイモと区別つかないくらい似ていて、しかしこいつは芋状の根を持たない

掘れば分かる。掘れば分かるが、キクイモかモドキか判別つかないのに掘るのもキクイモ(モドキ)に悪い。いやごめんなさい、どっちかというと、人通りがあるから当時は単純に掘るのが恥ずかしかった。今の俺なら掘る。

「図鑑で調べて、これがキクイモであると知った」と書いたが、結局、上の写真の植物がキクイモなのかモドキなのかは未だ謎である。

キクイモと私にはそんな因縁があるのである。今回食べれてその(一方的な)因縁も収まった気がする。